遺言の効力が発生するのは、遺言者の死亡の時です(民法985条1項)。
つまり、遺言の効力が発生するときには、書いた本人はいません。
当たり前のようですが、これは実に重要なことです。
なぜなら、遺言書の文言の意味が不明だとしても、本人に確認することができないからです。遺言はすべて、その遺言書に書かれた文言から、客観的に解釈するしかないのです。
したがって、遺言書に書く条項は、明確に、そしてシンプルに書くべきこととなります。もし、遺言書の文言が、一義的でなく、異なる解釈の余地を生ずるようなものであれば、それがもとで相続争いに発展することもありえます。
また、遺言書を書いてから、自分が死亡するまでの間に、事情が変わることもあります。
たとえば、遺言の中で相続人として想定していた人が、自分よりも先に亡くなってしまうこともありえるのです(これはよくある事例です)。
そこで、そのような事情の変更も想定して、遺言書を書く必要があります。
あるいは、数年後に遺言書の内容を再検討し、必要によって書き換えるのもよいかと思われます。実際、毎年、遺言書を書き換えているというような方もいらっしゃいます。
以上のような理由から、遺言書が原因で、余計なトラブルが生じないよう、遺言書の文言は慎重に熟慮すべきでしょう。
できれば、専門家に遺言書案を作成してもらう方が安心かもしれません。
