父親が亡くなった。母はすでに他界しており、また他の親族もいない。相続人は一人息子の自分だけ。父の財産は生前住んでいたマンション1戸といくらかの預貯金。そして、父が生前に借りていた多額の返金債務。
おそらく相続したプラス財産で借金を払いきるのは難しいと判断し、相続の放棄をしたら。その後のマンション等の父の相続財産はどうなるのだろうか。
相続人が相続放棄をすれば、はじめから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。
この場合、唯一の相続人が相続放棄をしていますから、被相続人たる亡父の相続人が不存在となります。そして相続人が不存在の場合については民法に規定があります(民法951~959条)。この規定によると、一種の財団法人をつくって、相続財産限りで清算することになります。
したがって今回の例では、亡父の財産は相続財産法人とされ(民法951条)、利害関係人または検察官の請求により相続財産管理人が家庭裁判所によって選任されます(民法952条)。そして、この管理人が財産を換価し(民法957条2項、932条)、債権者の債権に応じて弁済する(民法957条2項、929条)ことになるのです。
また、仮に残余財産があった場合については、国庫に帰属するのが原則となっています(民法959条、例外として特別縁故者への財産分与制度あり)。
