遺留分とは、一定の相続人のために法律上必ず留保されなければならない遺産の一定割合(民法1028?1044条)のことをいいます。[有斐閣法律学小事典]
簡単にいうと、被相続人の意思では奪えない相続分です。
例えば、死亡したAさんには相続人として子供が二人(兄、妹)いたとします。生前からこの長男と折り合いが悪いため、Aさんは遺言で「財産全部を娘だけに 相続させる」との指定をしたとします。しかし、長男はこのような遺言にもかかわらず、まったく遺産ができなくなるのではなく、遺留分の限度で遺産の相続を 請求できるのです。
ところで、先日次のようなドラマを見ました。祖父が死に、孫の兄妹の二人が相続人となります。祖父は遺言を残しており、この遺言によると兄が遺産の相続人から外されていました。そこでこの兄は、祖父の遺言執行人たる顧問弁護士に、「少しくらい財産をもらえないのか?」と相談しますが、この弁護士は「遺言により、あなたは一切財産をもらえない」と断言します。これに怒り狂った兄は、唯一相続人となった妹を殺害しようと計画する・・・という内容です。
しかし、そんなわけないんです。少しくらいなら、つまり遺留分なら請求できるのです。ドラマの弁護士は遺留分のことを知ってか知らずかいっさい触れず、「遺言どおり、いっさい相続できない」と言っていますが・・・
さて、冒頭の定義をもう少し詳しく解説しましょう。
遺留分とは、「一定の相続人のために」、法律上必ず留保されなければならない「遺産の一定割合」のことでした。
まず、一定の相続人とは、「兄弟姉妹以外の相続人」(民法1028条)のことです。つまり、すべての相続人に遺留分があるのではなく、兄弟姉妹以外の相続人だけに遺留分があるのです。
つぎに、一定の割合ですが、民法にはつぎのように定められています
・直系尊属のみが相続人である場合 ⇒ 被相続人の財産の3分の1 (民法1028条1号)
・それ以外の場合 ⇒ 被相続人の財産の2分の1 (民法1028条2号)
これを先ほどのドラマの例にあてはめると、兄は被相続人の孫なので民法1028条2号の場合にあたり、死亡した祖父の財産のうち2分の1は遺留分となります。そしてその遺留分から、法定相続分(2分の1 民法900条4号)の相続を主張できます。
したがって、兄は、「妹(孫)に全部遺産を相続させる」との祖父の遺言にもかかわらず、祖父の遺産のうち4分の1は相続人として請求できることになります。
このように、遺産をあげたくないのに、遺産の一部を渡さざるを得ないという遺留分制度がある根拠としては、相続制度というものが被相続人の意思の尊重ばか りでなく、遺族の生活保障という相続人の側の利益も考慮されているからだといわれています。どうしても、遺産を残したくない場合は、相続人を排除する(民 法892?893条)しかありませんが、この方法も相続人の相続権を一方的に奪ってしまう強力なものですから、これが認められるには厳格な条件があるので す。
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・息子に遺産を相続させたくない
簡単にいうと、被相続人の意思では奪えない相続分です。
例えば、死亡したAさんには相続人として子供が二人(兄、妹)いたとします。生前からこの長男と折り合いが悪いため、Aさんは遺言で「財産全部を娘だけに 相続させる」との指定をしたとします。しかし、長男はこのような遺言にもかかわらず、まったく遺産ができなくなるのではなく、遺留分の限度で遺産の相続を 請求できるのです。
ところで、先日次のようなドラマを見ました。祖父が死に、孫の兄妹の二人が相続人となります。祖父は遺言を残しており、この遺言によると兄が遺産の相続人から外されていました。そこでこの兄は、祖父の遺言執行人たる顧問弁護士に、「少しくらい財産をもらえないのか?」と相談しますが、この弁護士は「遺言により、あなたは一切財産をもらえない」と断言します。これに怒り狂った兄は、唯一相続人となった妹を殺害しようと計画する・・・という内容です。
しかし、そんなわけないんです。少しくらいなら、つまり遺留分なら請求できるのです。ドラマの弁護士は遺留分のことを知ってか知らずかいっさい触れず、「遺言どおり、いっさい相続できない」と言っていますが・・・
さて、冒頭の定義をもう少し詳しく解説しましょう。
遺留分とは、「一定の相続人のために」、法律上必ず留保されなければならない「遺産の一定割合」のことでした。
まず、一定の相続人とは、「兄弟姉妹以外の相続人」(民法1028条)のことです。つまり、すべての相続人に遺留分があるのではなく、兄弟姉妹以外の相続人だけに遺留分があるのです。
つぎに、一定の割合ですが、民法にはつぎのように定められています
・直系尊属のみが相続人である場合 ⇒ 被相続人の財産の3分の1 (民法1028条1号)
・それ以外の場合 ⇒ 被相続人の財産の2分の1 (民法1028条2号)
これを先ほどのドラマの例にあてはめると、兄は被相続人の孫なので民法1028条2号の場合にあたり、死亡した祖父の財産のうち2分の1は遺留分となります。そしてその遺留分から、法定相続分(2分の1 民法900条4号)の相続を主張できます。
したがって、兄は、「妹(孫)に全部遺産を相続させる」との祖父の遺言にもかかわらず、祖父の遺産のうち4分の1は相続人として請求できることになります。
このように、遺産をあげたくないのに、遺産の一部を渡さざるを得ないという遺留分制度がある根拠としては、相続制度というものが被相続人の意思の尊重ばか りでなく、遺族の生活保障という相続人の側の利益も考慮されているからだといわれています。どうしても、遺産を残したくない場合は、相続人を排除する(民 法892?893条)しかありませんが、この方法も相続人の相続権を一方的に奪ってしまう強力なものですから、これが認められるには厳格な条件があるので す。
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