相続ネット

2011年のアクセス1位キーワードは

On 2012年1月12日, in 未分類, by 管理者
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昨年(2011年)の、アクセス1位だったキーワードは、

「相続させたくない」
「息子に相続させたくない」
「相続させない方法」

といった、特定の相続人の排除にまつわるものでした。

みなさんいろいろなご事情があると思います。
たしかに、場合によっては、相続するにまったく値しない相続人もいることと思います。
また、自分の財産をどうしようと自分の勝手といえば勝手です。ご自分が築かれた財産です。

しかしながら、個人的な意見としては、特定の相続人を排除することは遺留分という制度がある以上難しいですし、相続時に相続人間のトラブルの原因になりますので、いまいちど再考慮されてみてはいかがかと思います。相続人から外されたことが、一生尾を引く軋轢となって、親族間が完全に断絶するという悲惨な事例も多いです(裁判に発展し、精神的・経済的負担がかえって増すことも)。

相続制度の趣旨の半分は、残された遺族のための制度でもあります。
あるかなしかという二者択一的な選択ではなく、いい落としどころを探るという方法もお考えいただけるといいかと思います。

 

遺言書の文言は慎重に

On 2011年12月28日, in 遺言, by 管理者
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遺言の効力が発生するのは、遺言者の死亡の時です(民法985条1項)。

つまり、遺言の効力が発生するときには、書いた本人はいません。
当たり前のようですが、これは実に重要なことです。

なぜなら、遺言書の文言の意味が不明だとしても、本人に確認することができないからです。遺言はすべて、その遺言書に書かれた文言から、客観的に解釈するしかないのです。

したがって、遺言書に書く条項は、明確に、そしてシンプルに書くべきこととなります。もし、遺言書の文言が、一義的でなく、異なる解釈の余地を生ずるようなものであれば、それがもとで相続争いに発展することもありえます。

また、遺言書を書いてから、自分が死亡するまでの間に、事情が変わることもあります。
たとえば、遺言の中で相続人として想定していた人が、自分よりも先に亡くなってしまうこともありえるのです(これはよくある事例です)。

そこで、そのような事情の変更も想定して、遺言書を書く必要があります。
あるいは、数年後に遺言書の内容を再検討し、必要によって書き換えるのもよいかと思われます。実際、毎年、遺言書を書き換えているというような方もいらっしゃいます。

以上のような理由から、遺言書が原因で、余計なトラブルが生じないよう、遺言書の文言は慎重に熟慮すべきでしょう。
できれば、専門家に遺言書案を作成してもらう方が安心かもしれません。

 

相続士

On 2011年12月25日, in 未分類, by 管理者
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最近よく「相続士」という言葉をインターネットで見かけるようになりました。

相続士ってなんでしょう?

簡単にいうと、民間の企業が勝手につけた肩書です。公的な資格ではありません。
お高いセミナーに参加することで「相続士」という肩書が付与されるようです。

さて、相続にまつわる、いわゆる士業にはいくつかあります。
遺産紛争なら弁護士、不動産相続なら司法書士、税金関係は税理士、紛争性のない遺言執行・遺産分割協議は行政書士といったところです。
くわしくは、過去記事「相続と士業間の職分」をお読みください。

では、相続士は何をやろうとしているのか。いまいち分かりませんが、ファイナンシャルプランナーが多くたずさわっているようですので、遺産等の資産運用を支援するのがメイン業務と思われます。
たしかに、遺産相続は、ときに個人の運用能力を超えた額の財産が、いちどに手に入る場面でもありますから、ファイナンシャルプランニング視点からの相続支援というのは、示唆に富むものがありまね。

 

事実婚と遺言書のすすめ

On 2011年12月25日, in 相続人, 遺言, by 管理者
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内縁のご夫婦、あるいは事実婚のご夫婦、つまり婚姻届を出していないご夫婦は、相続において注意が必要です。

残念ながら、事実婚の配偶者には、遺産の相続権がありません。これは、法律上、妻または夫ではないからです。
また、裁判所は、解釈上も、内縁の配偶者の相続権を、一貫して否定しています。これは、配偶者の範囲を法律上明確にすることにより、取引の安全を図ることが主な理由です。死後いきなり、実体のない「配偶者を名乗る」見ず知らずの人間が現れることによる混乱を排除する必要があるためです。

したがって、たとえば夫婦別姓のこだわりから長年事実婚を続けてきた場合、その一方が死亡すると、相手方の相続が法律上認められません。さらに不都合なことは、死亡した当事者の兄弟姉妹にも相続権があるため(民法889条1項2号)、事実婚の配偶者には遺産が法律上認められないにもかかわらず、まったく疎遠になっていた死亡当事者の兄弟姉妹に遺産が転がり込むという事態も生じ得るということです。

そこで、このような事態を避けるには、遺言書を作成することをおすすめします。
遺言書で、内縁の配偶者へ遺贈するのです。

兄弟姉妹には遺留分がありませんので(民法1028条)、内縁の配偶者へすべての財産を遺贈すれば、内縁の配偶者はすべての遺産を受けることができます。もちろん、死亡当事者の父母には遺留分があるため、その限りで減殺請求される可能性もあります。しかし、父母の遺留分は3分の1ですから(民法1028条)、仮に死亡当事者の父母が遺留分減殺請求をしても、内縁の配偶者は、法律上の配偶者としての相続分以上の遺産を受け取ることができます。

実際、子供のいない事実婚・内縁の配偶者の相続に関しては、トラブルが多いようです(子がいれば当然に子が相続します)。
自分のいなくなった後の相手方の生活を保護するために、遺言書を書くことをおすすめいたします。

 

父親が亡くなった。母はすでに他界しており、また他の親族もいない。相続人は一人息子の自分だけ。父の財産は生前住んでいたマンション1戸といくらかの預貯金。そして、父が生前に借りていた多額の返金債務。

おそらく相続したプラス財産で借金を払いきるのは難しいと判断し、相続の放棄をしたら。その後のマンション等の父の相続財産はどうなるのだろうか。

 
相続人が相続放棄をすれば、はじめから相続人とならなかったものとみなされます(民法939条)。
この場合、唯一の相続人が相続放棄をしていますから、被相続人たる亡父の相続人が不存在となります。そして相続人が不存在の場合については民法に規定があります(民法951~959条)。この規定によると、一種の財団法人をつくって、相続財産限りで清算することになります。
 
 
したがって今回の例では、亡父の財産は相続財産法人とされ(民法951条)、利害関係人または検察官の請求により相続財産管理人が家庭裁判所によって選任されます(民法952条)。そして、この管理人が財産を換価し(民法957条2項、932条)、債権者の債権に応じて弁済する(民法957条2項、929条)ことになるのです。

また、仮に残余財産があった場合については、国庫に帰属するのが原則となっています(民法959条、例外として特別縁故者への財産分与制度あり)。

 

父親が多額の借金を残して死亡した。わずかに残った父の貯金から葬式を行ったとしたら。相続放棄ができなくなる?

相続放棄をするには、「相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内」に手続きをしなくてはなりません(民法915条1項)。
そして、「相続人が相続財産の全部又は一部を処分したとき」には、相続人が単純承認したことになり、相続放棄ができなくなります(民法921条1項)。

そうすると、父親の貯金を使って葬儀を行った場合、「相続財産の処分」にあたり、単純承認したものとされます。したがって相続放棄ができないのが原則となります。

なんだか、すっきりしませんね。人間の当然の感情として、せめて父のお金で葬式くらいあげてもよさそうなもんです。実際にそのように、考えた裁判管もいたようで、裁判例では、被相続人のお金を葬儀費や墓石の購入費用にあてたことは単純承認とはならないとしたものもあるんです(大阪高裁平成一四年七月三日決定)。

この裁判例からすると、亡き父の貯金から身分相応な葬式をしても、相続放棄ができそうな気もします。

ただし、あくまでも最高裁の判例ではありませんから、必ずしもこのように認められるかどうかについては不確定であることに注意が必要でしょう。

 

お墓と相続税

On 2011年8月6日, in 相続財産, 葬儀・お墓, by 管理者
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お墓ももちろん相続することができます。

いわゆるお墓とは、住宅の場合の土地と建物のように、墓地と墓石に分けて考えます。墓地については、土地の所有権ではなく、永代使用権であることが一般的です。永代使用権とは、墓地の所有者との契約で墓地を永久に使用することができる権利です。

つまり、お墓を相続するとは、墓地の永代使用権と墓石の所有権を承継することになります。
 
 
さて、お墓(永代使用権、墓石)の相続には相続税がかかるのか?

お墓は相続税法上、課税対象ではありません(相続税法12条1項2号)。したがって、相続税はかからないのです。
 
 
ところで、かつてお墓といえばおじいちゃんの代から代々と承継するものでしたが、近年では、核家族化が進んでいるため、故人がお亡くなりになった後にお墓を購入することが増えています。

承継するのではなく、新たにお墓を購入する場合、ちょっとした節税対策があるのをご存知でしょうか。

たとえば、父親が死亡し、死後、その相続人たる子がお墓を購入するとします。このとき子は父の相続財産からお墓を購入することとなると思います。この場合、子はいったん現金を相続することになりますから、お墓の購入代金に相続税がかかってしまいます。

そこで、これを回避するため、父が生前に自分のお墓を購入し、死後、子にこのお墓を相続させるのです。こうすれば、お墓は非課税ですから、お墓の購入代金分の現金に対する相続税を節税したことになるわけです。

生前に墓地を購入するのは縁起でもないと考えられる方もいらっしゃるかもしれませんが、生前に建てるお墓を「寿陵」といい、逆に長寿をもたらす縁起のよいものという話もあるようです。また、自分で好みでお墓を選べることもあり、生前にお墓を建てる人も少なくないようですね。

 

東日本大震災で肉親を亡くした被災者が、知らぬ間に借金を相続してしまうという問題に対する救済策として、国会は民法特例法を成立させました。法案は、6月16日に衆議院本会議で可決し、17日に参議院本会議で可決されています(憲法59条)。

この特例法では、東日本大震災の被災者を対象に、相続放棄の手続き期間を11月末まで延長することになっています。

熟慮期間が延長されることはよいことですが、それとともに被災者に向けて相続に伴い借金を相続する場合があることや相続放棄をすることでそれを免れることの広報活動を、もう少し行ってもらいたいものです。この問題を知らない被災者も多いと聞きます。

特例法が画餅に帰することにならぬことを願っています。
 

 
 
◆関連する記事
知らぬ間の借金相続と相続放棄

 

知らぬ間の借金相続と相続放棄

On 2011年5月25日, in 相続人, 相続財産, by 管理者
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「東日本大震災で肉親を亡くした被災者が、借金相続という新たな悲劇に襲われている。」(岩手日報WEB版より

相続の際には、不動産や預貯金と同じく借金も相続されます(民法896条)。ただし、相続放棄をすれば借金を相続することはありません(民法939条)。
この相続放棄は、「相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内」に手続きをしなくてはなりません(民法915条1項)。
そして、「自己のために相続の開始があったことを知った時」とは、原則として「被相続人の死亡を知り、かつ、そのために自己が相続人となったことを覚知したとき」です(大決大15・8・3民集5・679)。

今回の大震災では、「家族が生前に借金の存在を知らされなかったり、津波で書類が流されるなど相続事実を知らないケースが多」く、被相続人に借金があったのかどうか、借金があったとしてもどのくらいの額だったのかが不明なまま、相続放棄手続きせずに3カ月を経過しようとしている、というのがニュースの内容です。

対策としては、相続放棄の期間伸長を裁判所に申し立てることが考えられます(民法915条1項但書)。今回の大震災という非常事態については、裁判所も理解をしていると思いますから、期間伸長は受理されるのではないでしょうか。

なお、「相続人が自己のために相続の開始があったことを知った時から3箇月以内」の解釈については、例外的な基準を示した判例があります。
相続財産(財産も借金も)が全くないと誤信し、その誤信につき相当の理由がある場合には、3箇月の起算点を例外的に相続財産の認識時または認識可能時とするものです(最判昭和59・4・27民集38・6・698)。
この判例で注意を要するのは、財産が全くないと思っていた場合に限っている点です。たとえば、不動産を相続することは認識していたが、借金の存在は認識していなかったという場合には、「借金を認識した時から」ではなく、原則通りに「被相続人の死亡を知った時」から3箇月となります。

いずれにしましても、被相続人が会社経営等の事業者である場合には、借金や連帯保証を負っていることが考えられますので、まずは弁護士等の専門家に相談するのがよろしいかと思います。

 

相続と不動産登記の基礎知識

On 2011年4月10日, in 相続財産, by 管理者
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不動産の登記は原則として、前所有者(登記義務者)と後所有者(登記権利者)との共同申請となります(不動産登記法60条)。これは、登記によって不利益を受ける者をその登記の申請に関与させることによって登記の真正を担保することが理由です。

しかし、父の死亡による子の不動産相続のように、相続が原因で登記する場合は、例外的に相続人が単独で登記申請できます(不動産登記法63条2項)。この場合は、相続を証明する市区町村長等の公務員が職務上作成した情報及びその他の登記原因を証する情報を、登記申請時に提供する必要があります(不動産登記令(不動産登記令7条1項6号・別表22)。

相続を証する情報の代表的なものは被相続人及び相続人の戸籍謄本です。
この戸籍謄本には被相続人の死亡年月日、配偶者、子、直系尊属とうが記載されています。注意しなければならないのは、戸籍は変動しますので、被相続人死亡時の戸籍謄本だけでなく、15歳くらいから現在までの戸籍謄本を提供すべきことです。

相続人が複数いる場合、つまり共同相続となった場合には、次のような注意が必要です。

登記申請は自己の相続分についてのみすることができない(不動産登記先例)。
相続人は自分だけ不動産登記ができません。もっとも、相続人の1人は、他の共同相続人全員のために相続登記の申請ができますので、他の相続人が登記に協力してくれない場合は、自分だけで相続による全員の不動産登記ができます。

遺産分割等により不動産を単独相続した場合はそのことを証明する情報を供する必要がある。
たとえば、遺産分割がなされたときは、相続その他の登記原因を証する情報として、遺産分割協議がなされたことを証する情報、つまり遺産分割協議書などを提出する必要があります。
 
 
相続による不動産登記の登録免許税(法務局へ納税するもの)は、不動産価格(課税標準)に1000分の4を乗じた額となります(登録免許税法別表第1.1(2)イ)。たとえば不動産価格が1000万円なら4万円が登録免許税となります。

登記を司法書士に依頼する場合には、司法書士の報酬が必要となります。この価格は各司法書士によってピンキリですが、一般的な報酬額を示すと、不動産価格1000万円の相続登記の場合、約3万円~5万円(別途立会い費用、遺産分割協議書作成費用等が必要)くらいでしょうか。 
 
 
不動産の登記に関しては、近年、法務局のサービスが行き届いています。登記窓口のそばに退官した登記官等がボランティアで登記相談所を設けていたりと素人でも登記申請ができるようにわかりやすく案内されてます。不明な点は法務局で聞いてみるといいと思います。
とはいえ金銭的に余裕があれば司法書士に相談・依頼するのが安心だと思います。関係者の戸籍謄本の収集、遺産分割協議書の作成等だけであれば、行政書士に相談・依頼するのが最もリーズナブルでしょう。